高村薫の「照柿」の文庫版を読み始める。単行本で読んだのに、何も覚えてないことに愕然とする。

 猛暑の羽村から始まるシーンは、二日酔い気味の当方にはクラクラします。体調が良くないと読めない類の本です。「マークスの山」、「レディージョーカー」は良く覚えているのに、何か不思議な感覚です。冒頭で登場する「葡萄のような目をした女性」はまったく記憶にありません。ですから新刊書の感覚で読めます。