本当に読むのが苦しくなる小説。「ジョン・ランプリエールの辞書」ユーコ+ピンチョン+ディケンズ+007とは言いすぎです。

 本の腰巻にこう書かれれば、ミステリー作家を目指す者として読まずにいられません。
しかし話がバラバラでペダンチック過ぎて、ちっとも進みません。上巻で父が殺され、女性が死にますが「八つ墓村」以下の話で、引っ張りすぎです。とにかく主人公が肝心なときに全く意識がなくなるのですからミステリーとしては致命的です。「何が起こったの」といいたくなります。だから小説がミステリーとして成立しません。東インド会社関係のイギリスとフランスの陰謀ですから面白くならないわけはないのに、話が脇にそれすぎです。読んでいる身になってもらいたいです。
 下巻に行く前に怒ります。本当は投げ捨てるのですがタイトルのように書かれているので、本当かと耐えています。下巻も同じだったら絶対抗議します。
 「薔薇の名前」だって読みやすかったです。思わせぶりな登場人物を全部殺したいです。文学的に。創元推理文庫の編集者に抗議します。下巻を読んでからですが。